顕在記憶と潜在記憶とは何か
顕在記憶と潜在記憶とは何かについて、
解説していきます。
認知心理学では、
記憶には、大きく分けて、
顕在記憶と潜在記憶が
存在するとしています。
顕在記憶については、
自分で思い出そうとする意思を持って、
思い出す記憶のことです。
したがいまして、普段、
思い出そうとして思い出す記憶は、
顕在記憶であると判断して
いただくとよいかと思います。
次に、潜在記憶については、
自分では思い出そうとする意志がないのに、
無意識的に思い出している記憶のことです。
たとえば、何かの問題を見た時に、
なぜかパッと答えが閃いた場合などは、
過去にどこかで得た記憶が、
無意識に出てきているということです。
そして、潜在意識というものが、
本当に存在するということは、
数々の実験で証明されています。
身近な例を挙げますと、最初に、
りんごの絵を見てもらってから、
その後、「○ん○」というプラカードを見せたら、
「りんご」と答えられます。
また、最初に、すいかの絵を見てもらってから、
その後、「○い○」というプラカードを見せたら、
「すいか」と答えられます。
別に、「さんぽ」とか、「けいと」とか、
何通りも答えはあるのですが、
なぜか、「りんご」とか、「すいか」と答えます。
これは、明らかに、最初に見た
りんごの絵やすいかの絵が、
無意識のうちに記憶として
浮かび上がってきて、
次の答えに影響を与えていますよね。
りんごの絵やすいかの絵を、
自分の意志で思い出そうとはしていないのに、
答える時には、知らず知らずに
思い出しているようです。
このような現象から、潜在記憶というものが、
本当に存在するんだなということが、
ご理解いただけると思います。
ちなみに、先の例における
「りんごの絵」は、
認知心理学では、
先行刺激(プライム)と呼ばれています。