エンプティ・チェアの技法で心を癒す
エンプティ・チェアの技法で心を癒す
ということについて、解説していきます。
ゲシュタルト療法における心理療法には、
エンプティ・チェアと呼ばれる代表的な
テクニックがあります。
これは、誰も座っていない椅子、
すなわち、エンプティ(空虚な)・チェア(椅子)を使った、
非常に効果的な技法なのです。
具体的には、どのように治療を
進めていくのかと言いますと、
まずは、誰も座っていない椅子に、
クライエントが言いたいけど
言えなかった過去を持つ人を
イメージで呼び出してもらいます。
たとえば、死に別れたお母さんに、
いっぱい言いたいことがあったのに、
死ぬ間際に遠くにいたために、
死に目に会えなかった場合などです。
このような場合、
大きな心残りがあるため、
それが原因で、心の病を
発症することがあります。
そこで、誰も座っていない
エンプティ・チェアに、
亡くなったお母さんのイメージを
呼び出してもらうのです。
そして、ゲシュタルト療法家は、
たくみに誘導して、
亡くなったお母さんのイメージに対して、
言えなかったこと、言いたかったことを、
全てぶつけてもらうのです。
たとえば、「お母さんには
本当に感謝してた。ありがとう」とか、
「お母さんが息を引き取る時に、
そばにいてあげられなくて、ごめんね」とか、
言いたかったことが色々ありますから、
それを全て吐き出してもらいます。
まさに、今ここに、
過去の体験を呼び出してもらって、
今ここで、引っかかっていた感情を
吐き出してもらうのです。
そうしますと、引っかかっていた
マイナスの感情エネルギーが解消されますし、
自分の気持ちを吐き出すことにより、
自分がいかに母親を愛していたかも気づきます。
また、母親が許してくれたような
気分にもなります。
このようにして、心の中のマイナスエネルギーを
吐き出すことにより、
心の病を治療することができるのです。
エンプティ・チェアの技法は、
ゲシュタルト療法の代表的なテクニックですから、
ぜひ、覚えておいていただきたいと思います。
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