アッシュの同調実験を学校で使う
アッシュの同調実験とは、
アメリカの心理学者アッシュが
集団の圧力を確認するために
おこなった実験です。
7人の大学生に、
基準となるカードに描かれた線と
同じ長さの線のカードを
3枚のカードの中から選んでもらう
という実験をおこないました。
しかし、事前に一人だけで
回答させると100%回答できたのに、
7人で実験した際、
5人のサクラが誤った回答をした後であれば、
68%にまで正解率が下がったのです。
このように、人はとかく
集団の圧力に押されて、
意見を変えてしまう
ということがお分かりいただけると
思います。
そこで、学校生活において、
どうしてもある生徒に
考え方を変えてほしい場合の
テクニックを紹介しておきましょう。
ただし、悪用しようと思えば
できてしまうテクニックですから、
このテクニックを使う前に
必ず自問自答して、くれぐれも、
正しい目的にだけ使うように
してください。
さて、ある生徒にどうしても
考え方を変えてほしい場合は、
事前に、何名かの生徒と
打ち合わせておいて、
同じ意見を言ってもらうように
仕組んでおきます。
同じ意見を言ってもらう生徒の数は、
多い方が効果が高いです。
少なくとも3人以上、できれば、
5人以上はいた方がいいです。
そして、考えを変えてほしい
生徒のもとにみんなで行き、
「オレはこう思う」、「私はこう思う」、
「ボクもこう思う」というように、
みんなで打ち合わせておいた意見を
言ってもらいます。
そして、最後に、
考えを変えてほしい生徒に、
「ところで、君はどう思うんだ?」と
聞くとよいのです。
そうしますと、集団の圧力がかかりますから、
「ボ、ボクもそう思うよ。」となるわけです。
そして、一度、自分の口から回答しますと、
自分自身でも「やっぱりそうなのかなあ」と
納得することが多いですから、
このようにして、相手の意見を
変えてしまうことができるのです。
この方法を成功させるには、
人数は多ければ多いほどいいのですが、
あんまりにも人数が多すぎると
統制が取れなくなるのでご注意を。
また、みんなで意見を言ってもらう際には、
うまく場を作って、
できるだけ自然に意見を言い合う状態に
なったように見せかける方がいいです。
あまりに不自然な形で意見を言われても、
怪しまれるだけですからね。
いかがでしたでしょうか。
学校でアッシュの同調実験の効果を
利用する方法でしたが、
決して、悪用はしないでくださいね。
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