人間は常に実体のないイメージに苦しめられている(NLP実践心理学)
人間は常に実体のないイメージに
苦しめられているということについて、
解説していきます。(NLP実践心理学)
NLP実践心理学では、
人間は常に実体のないイメージに
苦しめられていると言っています。
これは、どういうことかと言いますと、
本当は危険ではないものを恐れて、
不安やストレスに悩まされている
ということです。
たとえば、犬の恐怖症であれば、
小さくて、絶対に安心という犬に対しても、
異常な恐怖を感じますが、
これは、まさに実体のないイメージに
恐怖を抱いている典型的な例です。
小さな犬が、自分を傷つけたり、
追い回したり、
命を脅かすことがあるでしょうか。
もちろん、多少は噛まれたりすることも
あるでしょうが、
小さな犬が噛んだとしても、
たかが知れています。
なのに、小さな犬に対しても、
異常な恐怖を感じるのは、
脳内にプログラムされたイメージに
苦しめられているだけなのです。
したがいまして、
もっと現実をしっかりと理解し、
小さな犬は、危険ではない、
安全であるということを脳に
インプットする必要があります。
なお、どうして、小さな犬に対しても
異常な恐怖を感じるかと言いますと、
人間の脳は、プログラムを作るときには、
全体的な事柄やカテゴリーと
勝手に結びつけてしまうからなのです。
たとえば、幼少時に、
大きな犬に噛まれて恐い思いをしたので、
犬の恐怖症になったとします。
でも、この場合は、大きな犬には、
恐怖を感じるけれども、
小さな犬には、恐怖は感じなさそうに
思えます。
しかしながら、ここが脳内プログラムの
興味深い点なのですが、
小さな犬としてプログラムするだけではなくて、
より全体的なカテゴリー、
すなわち、犬という大きなカテゴリーで、
プログラムされてしまうのです。
そのため、大きな犬に噛まれて
恐怖症になったのに、
大きな犬だけでなくて、
犬全体に異常な恐怖を感じてしまうように
なるのです。
では、このように、脳内で勝手に
全体的な事柄に結びつけることは、
機能上の欠陥ではないかと
お考えになるかもしれません。
しかしながら、これは、
人類進化の過程にて、
いかに生き延びてきたかを考えてみますと、
その答えが出てきます。
人類が狩猟によって暮らしていた時代では、
大きな犬に噛まれた体験をした後、
大きな犬だけ注意するプログラムを作るよりは、
犬全体に注意するプログラムを作った方が、
より生き延びる確率は高まったのです。
恐怖の対象が増えるので、
いつもおびえて暮らすことになって、
大変になるかもしれませんが、
生き延びる確率は高まります。
したがいまして、脳内プログラムにおきましては、
当然のように、より大きな事柄、
カテゴリーに結び付けて、
記録されてしまうようになっているのです。
狩猟時代の名残りと言えるかもしれません。
ただし、人類が狩猟をおこなっていた時代とは、
現代社会はかなり異なっていて、
危険度も低くなってきていますから、
このギャップが、恐怖症という認識を
生み出します。
狩猟をおこなって暮らしていた時代では、
より大きな事柄、カテゴリーに結び付けて
プログラムした方が、
生き延びやすかったのですが、
現代社会では、それが逆に、
生活に支障を与えるようになってきた
ということです。
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