自我は一度形成されてからでないと超えられない
自我は一度形成されてからでないと超えられない
ということについて、解説していきます。
トランスパーソナル心理学では、
自我の超越を説いています。
しかしながら、今すぐに、
自我の超越に取り組んでいいかと
言いますと、そうではないのです。
実は、自我を超越するには、
まずは、自我がしっかりと
形成される必要があるのです。
物事には順序があり、一足飛びに、
次の段階には移れないのです。
たとえば、柿の木があって、
柿の実ができたとします。
でも、まだ、青色の柿であり、
熟していません。
いきなり自我を超越しようとするのは、
まさに、まだ青い柿の実を、
もぎ取ろうとする行為なのです。
まだ、熟しておらず、時が来ていませんから、
もぎ取っても、おいしくないし、苦いし、
無理にもぎ取ろうとするから、
非常な痛みを伴うのです。
そうではなくて、
柿の実がしっかりと熟成して、
オレンジ色になって、時が来たら、
柿の実は、自然と落ちてくるのです。
時が来たら、自然と落ちてくるのですから、
無理に、もぎ取ろうとしてはいけないことが、
お分かりいただけると思います。
したがいまして、自我を超越しようと、
無理に、自我を落とそうとしたり、
壊そうとしてはいけません。
下手をすると、
狂人になってしまいますよ。
そうではなく、まずは、自己実現を図り、
自分自身は何者なのかをしっかりと形作り、
世間的にも成功できるように、
一生懸命努力すべきです。
そして、自我がしっかりと形成されて、
物質的にも社会的にも満たされているのに、
なぜか虚しさを感じ始めた時に、
内観や瞑想を始めていけばいいのです。
内観や瞑想をおこなって、
自分自身を観察していきますと、
自我が溶け去って、
無の境地にいたることができます。
しかしながら、自我が形成されていない
早い段階からおこないますと、
なかなか、うまくいかないのです。
なぜなら、溶け去る対象の自我そのものが、
まだできていない状態では、
内観や瞑想も、あまり効果がないからです。
以上のことから、焦って、
自我を消滅させようとしないで、
まずは、しっかりと自我を形成して、
時が来るのを待つことが大切ということを
よくよく認識しておいてください。
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