ゲシュタルト療法では今ここに集中する
ゲシュタルト療法では今ここに集中する
ということについて、解説していきます。
ゲシュタルト療法では、
クライエントの気づきを促しますが、
何よりも、「今ここ」を重要視します。
どういうことかと言いますと、
過去の記憶は変更できないし、
未来のことには、
手を下すことができませんから、
クライエントの感情については、
今ここに集中するようにしています。
たとえば、クライエントが、
過去につらい体験をしていて、
精神的外傷(トラウマ)を
感じているとします。
そのような場合、過去のつらい体験
そのものは変えられません。
しかしながら、今ここで、
その時のつらい体験を
再度思い出してもらい、
今ここで体験しなおすことで、
そのマイナスのエネルギーを
解消することができるのです。
また、未完結の体験についても、
心の病の原因となりますが、
ゲシュタルト療法では、今ここで、
未完結の体験を行ってもらいます。
たとえば、死に別れた愛する人に
言いたいことがあったのに、
言えないままになっていたことが
心に引っかかっていたとします。
そのような場合は、
エンプティ・チェアなどの技法を使って、
死に別れた愛する人が、
いまここにいるとイメージしてもらい、
言いたいことを全て言い尽くすなど、
未完結の体験を完了してもらうのです。
そうすることで、今ここで、
未完結の体験を完了することができ、
心の中のわだかまりのエネルギーが解消し、
心の病が癒されるのです。
大切なのは、今ここであり、
今ここしか、現実に関われる時はありません。
したがいまして、
ゲシュタルト療法では、
過去の体験や感情を、
今ここに引きずり出すことにより、
直接的に関わっていくのです。
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